MD-ing講座13
棚割
今回から、棚割についてです。
棚割について論ずる前提として、棚陳列の販売力要素・陳列の原則・陳列の基本・陳列手順について整理しておきます。
1.棚陳列の販売力要素
棚上における販売力は、商品力と陳列力の二つの要素に分割されます。 商品力は、価格的要素とブランド、機能、知名度といった品質的要素で構成されます。 陳列力は、陳列の位置、つまり棚のタイプ(垂直ゴンドラ・L型ゴンドラなど)棚の段数、棚の左右(どんなカテゴリーが当該カテゴリーの左右にきているか)によって。陳列される商品の量(フェイス数・商品サイズなど)によって。陳列手法(バーチカル陳列・ホリゾンタル陳列・ブロック陳列など)によっての3つの要素で構成されます。 以上の構成要素が整っている時販売力は高まるのです。
2.陳列の原則
そもそも商品を陳列するのは何のためでしょうか。小売業のマーケティング目標(顧客ターゲット・売上・利益・市場シェアアップ・マインドシェアアップ)を達成するためです。主役は、商品です。
そうすると
(1)顧客が求めている商品を
(2)見易い場所に
(3)効率的・効果的に並べ
(4)関心のない顧客にも興味を持たせ
(5)購買行動を起こさせる
ように陳列することです。具体的に述べると、
(1)何を
(2)幾つ
(3)どこに
(4)高さは
(5)フェイス数は
(6)陳列器具は
(7)陳列の型は
(8)関連性は
(9)カラーコントロールは
になります。
3.陳列の基本
陳列の基本は
(1)商品に注目させる
(2)商品に関心を持たせる
(3)欲求を起こさせる
(4)商品を購入する事が得である事を確信させる
(5)購買行動を起こさせる
つまりは、見易く、触れ易く、選び易い。そして豊富感があり、魅力的であり、効率的であることです。
このように陳列をすると、
(1)来店動機を促進
(2)衝動買いを促進
(3)ついで買いを促進
(4)ストック買いを促進
(5)来店客数の向上
(6)客単価の向上
(7)固定客の増加
(8)適正利潤の確保
4.陳列手順
先ず商品の分類、構成がポイントです。誰を顧客に設定し、その顧客をターゲットにした場合どんな生活シーンを想定し、商品の組合せを提案するかです。
次に、棚上の陳列ゾーンによる商品配分です。
例えば、
(1)床から80cmぐらいまでを、売れ筋商品の大量陳列あるいは子供向け商品のスペースに。
(2)80~140cmぐらいまでを、売れ筋商品あるいは利益商品のスペースに。
(3)140~170cmぐらいまでを、店のイメージ商品あるいは、新商品スペースに。 というように決めていきます。
以上4項目を前提に、棚割について説明していきます。
(1999/04/15)