MD-ing講座18
フェイシング
今回は、棚割の4大要素最後の段階「フェイシング」についてです。
棚上のゾーニングが決まりましたら、いよいよ各ゾーニング内にどの商品を、何フェイス、幾つ陳列するかの段階です。
ここでの注意点は、
1.各々の商品には、時間の経過と共に高回転商品から中回転、そして低回転と、また逆に低回転から中回転、そして高回転へと売れ行きに差が出るということ。
2.商圏状況の変化、顧客の嗜好の変化など環境の変化に応じた商品の入れ換えが適時要求されるということ。
「1」については、POSデータなどを見ながら、売れ始めてきたらフェイス数を拡大していき、売れ行きが鈍化してきたらフェイス数を縮小していくことが必要です。これを怠りますと、売れている商品は欠品し、売れていない商品は過剰在庫として何時までも売場に置かれ販売効率が低下してしまいます。
理想は、どの商品も棚単位で過不足無く同時に売れて行くことです。
ポイントは、各商品の陳列量を、各商品の販売量に応じた状態にすることです。この事により、発注や補充がコントロールでき、顧客に対する販売機会ロス防止策になるわけです。
これを”バスタブ理論”と言っています。(バスタブの栓を抜くと水面が平行に下がって行く状況)
※陳列数量の決定については、MD-ing講座(8)を参照して下さい。
「2」については、定期的な来店顧客調査により、商圏内の顧客が欲している商品を選択し、テレビ、雑誌などマスコミ情報のウォッチングを参考に、その商圏独特の商品や季節・催事・トレンドに合わせて各商品のフェイス数を変更したり、話題の商品のフェイス数を拡大したり、こまめな対応が必要になります。
フェイシングを実施する場合の注意点は以上です。次にフェイシングの作業上のポイントについて述べます。
(1)陳列位置面・・・・・・・・・・・ゾーニング内・他のゾーニングとの関連性
(2)フェイス数面・・・・・・・・・・上記1参照
(3)在庫数面・・・・・・・・・・・・・MD-ing講座(8)参照
(4)価格面・・・・・・・・・・・・・・・ゾーン・ライン・ポイント・レンジの設定
(5)陳列演出面・・・・・・・・・・・POP
(6)商品理解度面・・・・・・・・・特に新製品の場合など、使い方を告知
(7)特売比率面・・・・・・・・・・・エンドなど特売と定番との比率関係
(8)商品導入・カット基準面・・全国・エリア・商圏・自社内比較など
フェイス数の数え方は以下の通りです。
横に数えます。
(2000/2/9)