MD-ing講座17

ゾーニング

第三段階の「ゾーニング」について説明いたします。
どう分類するかが決まりましたら、それぞれの商品群を棚のどこに、どれぐらいのスペースを取り、どう配置するかのステップに入ります。
これを「ゾーニング」の決定といっています。
ポイントは、

(1)それぞれの商品群の売上げに応じたスペース配分
(2)それぞれの商品群をまとまったブロックにして配置
(3)バーチカル陳列とホリゾンタル陳列の組み合わせ陳列
(4)ゴールデン・ゾーン配置
(5)棚本数が長くなる場合、棚ごとのまとまりとストーリー性

具体的に説明いたします。

(1)それぞれの商品群の売上に応じたスペース配分

それぞれの商品群の売上金額、売上数量、粗利金額などの合計値から、それぞれの商品群の構成比を求め、その比率に応じてスペースを棚上に配分する事を言います。

(2)それぞれの商品群をまとまったブロックにして配置

それぞれの商品群の中をサブカテゴリーに分け、そのサブカテゴリーを一つのまとまりとして棚上に配置する事を言います。
顧客の視野は、縦10~20cm×横70~80cmと言われています。
この範囲を一つのブロックと考えて商品陳列をします。

(3)バーチカル陳列とホリゾンタル陳列の組み合わせ陳列

店内における商品探索の際、顧客の目は先ず、縦に止まります。それから横に流れると言われています。
つまり、サブカテゴリーを先ず縦に陳列し(バーチカル陳列)、次にサブカテゴリーの中を横に陳列する(ホリゾンタル陳列)と顧客の目線をコントロールでき、結果売上の増大に結び付く事になります。

(4)ゴールデン・ゾーン配置

棚上で商品を、一番見易く、取り易いポジションは床から80cm~150cmの所です。この範囲を「ゴールデン・ゾーン」と言っています。なにしろあるカテゴリーの棚の前に立ち、商品選択をする時間は約8~12秒と言われています。この時間を商品数で割ると商品一個当たりの時間が出ます。例えば商品が棚上に80SKUあり、12秒間棚の前に居たとすると、1SKU当たり0.15秒しか見られていないことになります。 つまり、ほとんど見られていないことになります。故に見易いゴールデン・ゾーンにどのサブカテゴリーを、どの商品を配置するかで売上が変化してしまうのです。

(5)棚本数が長くなる場合、棚ごとのまとまりとストーリー性

一つのカテゴリーで棚が数本と長くなる場合、それぞれの棚ごとにサブカテゴリーをまとめる事。
そして主通路からの動線、副通路からの動線を考慮にいれながら、どんな順番にサブカテゴリーを並べるかがそのカテゴリーのストーリー性に関係してきます。
例えば、あるカテゴリーがABCDEFと 6つのサブカテゴリーに別れていたとします。主通路からのABCDEFと並べるアイデア、CFEBACと並べるアイデアと色々考えられるわけです。

以上が基本の考え方になります。しかしあくまで基本である、と言う事です。
スペース配分にしても計算通りにするのではなく、Aというサブカテゴリーは最近伸びつつあるので計算上は12%だが、思い切って20%にスペース拡大を、といった事があるわけです。
要は、自店はどうしたら競合と差別化でき、顧客に喜ばれる売場作りができるかの仮説を組み立てるかです。

(1999/12/08)