MD-ing講座15

棚割の4大要素・品揃え

そもそも「棚割の目的」とは何でしょうか。「何のために棚割をする」のでしょうか。”顧客ターゲットに合った、このような生活をしてもらうためには、このような商品が必要である”を前提に、それぞれの商品が、(1)品切れにならないよう、(2)過剰在庫にならないように、”店舗が開いている間、お客様に向かって一番良いフェース面を見てもらうように棚上に配置されていること”と言えるのではないでしょうか。
一昔前までは、倉庫の在庫管理と同じ考え方で棚割に取り組む小売業が多かったのですが、最近では、商品管理の一部として顧客と商品が売場で出会う非常に重要な場として、棚割を考えるようになってきました。この目的を達成するためには、

(1)品揃えを企画 → (2)グルーピングを決定 → (3)ゾーニングを決定 → (4)各商品のフェイス数を決定というプロセスがポイントになります。

まず第一の「品揃え」について説明します。「品揃え」の目的は、ターゲット顧客に”何を”売りたいのかを決めることです。
ポイントは、ある商品カテゴリーで店の主張を顧客に理解してもらう商品選択をどう考えるかです。

1.店の主張は何か
2.売場のコンセプトは何か
3.品揃えのコンセプトは何か
4.価格政策は
5.実販売数量・売上・利益動向は
6.市場の規模と成長性は
7.各メーカー動向は
8.各商品動向は
9.全国での扱い状況は
10.エリア内での扱い状況は
11.商圏内競合店舗の扱い状況は
12.商圏内消費者消費動向は

を十分検討することです。

「品揃え」を考える場合のもう一つのポイントがあります。
それは「品揃え」改善時のデータ活用の部分です。
自店の「品揃え」チェックをする場合に基準になるのがPOSデータと商品属性データです。
POSデータは結果データです。自店舗の、自店に置かれている商品のみのデータです。この自店POSデータだけでは顧客の変化に対応した「品揃え」を維持するには限界があります。例えば、全国的に見た場合、出店している商勢圏内で見た場合、自全店平均で見た場合など比較検討することで客観的に判断ができる訳です。
商品属性データについては、分類基準をどう設定するかがポイントになります。例えば、原料特性から、容器特性から、メニュー特性からと色々な切り口が考えられます。この切り口を自店の顧客特性に合わせたら何がベストなのか、あるいは、競合店舗と差別化する場合どう切り口を構築するのかといった時の基準になるものです。属性マトリックスを作成しブランク部分を探し、商品を追加するなどが効果的な使い方です。

以上、「品揃え」について説明しましたが、顧客ターゲットを明確に設定し、何が必要なのかを決めることが第一のポイントになります。第二に、時間の経過と共に「品揃え」を変化させていかなければマンネリ化し、魅力のない店になってしまいます。
「品揃え」を改善する場合、過去のデータとはいえPOSデータの活用と商品属性データの活用がポイントになります。

次回は「グルーピング」についてです。

(1999/08/11)