MD-ing講座10
米国の商取引用語・その2
前回に引き続き、米国の商取引用語について解説いたします。
*エフィシェント・コンシューマー・レスポンス(Efficient Consumer Response)
ECRは、その考え方、仕組みもQRを基本にして生まれた。
適正な発注量、リードタイム短縮、適正な商品構成、品切れ防止などを推進しながら、流通システムの中に潜む非効率的な取引慣行を排除して生産性を向上させ、在庫の削減を達成し、消費者により安い価格で商品を提供することを目的としている。
POS、EOS、EDI、などのコンピュータ・ツー・コンピュータの技術革新が必要である。
(1)効率的商品補充、(2)効率的店頭品揃え、(3)効率的販売促進、(4)効率的新製品導入の4つの戦術がある。
*マーケット・ディベロップメント・ファンド(Market Development Found)
それぞれの地域のSMのイベントやプロモーションに投資される援助資金で、問屋やチェーン本部に提供される資金。
*ストリート・マネー(Street Money)
それぞれの地域のSMのイベントやプロモーションに投資される援助資金で、各地域のSMや店舗自身に提供される資金。問屋やチェーン本部で把握できない資金である。
*デッド・ネット(ネット・ネット)(Dead Net/Net Net)
メーカーからの仕入価格をそのまま納入先に提示する。また、ディールやアローワンスも仕入価格から差し引いて納入価格として提示する事。
*ヴァリュー・プライシング(Value Pricing)
メーカーが小売業のPB商品との価格差是政策として導入したリスト価格を引き下げて、アローワンスを削減する価格政策。
*フォワード・バイイング(Forward Buying)
安く仕入れられる時に少々のリスクとコストを掛けてでも実際の販売時期よりも早めに仕入れておいた方が有利だと判断した商品を、前もって仕入れることを言う。
*バック・ホール(Back Hauls)
ホールセールやリテイラーが自社のトラックでメーカーの倉庫に商品を引き取りにくると、メーカーは納品コストを節約できる。
この節約された納品コスト相当分をホールセールやリテイラーに還元する事を言う。(10~12%のアローワンス)
*2パーセント10デイズ(2%10Days)
商品を販売して、請求書を発行後、10日以内に支払えば2%のディスカウントを受けられるというもの。
*フリークェント・ショッパーズ・プログラム(Frequent Shoppers Program)
優良顧客の維持、開発を目的とした小売業プログラム。
消費者に会員になってもらい、その代わりに、買物金額に応じて、あるいは特定の商品を購入した場合に点数が加算される。
このシステムは、コンピュータ化されていて、顧客の家族属性、購買履歴が蓄積されていて、誰が、何時、何を、何と、幾ら購入したのかなどが判別でき、商品構成、価格構成などに活用できる。
(1998/10/1)