MD-ing講座5
I.S.M.の内容・その2
今回は、通路の作り方についてです。入店されたお客様に店の隅々まで歩いてもらい、それぞれの売場に立ち寄ってもらうためには二つの条件があります。この二つの条件を満たすことによって客単価が上がるわけです。一つ目は、”物理的条件”と言われています。
1) 直線誘導方法(通路がまっすぐであること)
(1)通路幅が広く
(2)まっすぐである
(3)平らである
(4)通路が短すぎない
2) 入口と出口の設定方法
(1)入口は道路に面した壁際から始まる所に作る
(2)出口は同じ道路に面した入口とは反対側に作る
3) 主通路の設定
(1)逆L字型である
(2)フロアの入口から始まる
(3)壁際に沿って奥へ伸びる
(4)初めの直線が一番長い
(5)全通路中最も幅が広い
(6)主通路そのものの曲り角度は、必ず90度である
(7)主通路の終点は、入口から対角線の方向にある一番奥の売場
(8)入口は、フロアの中央でなく壁際に作る
(9)出口は、入口と同じ道路側の入口とは逆の壁際に作る
(10)入口近くの両側と突き当たりに、客を引きつける魅力売場が並んでいる
二つ目は、”心理的条件”と言われています。
1) 陳列による迫力感を出す
(1)前進立体陳列による、商品の量感
2) 陳列による連続感を出す
(1)客の目に入る所は商品のフェイスで埋め尽くす
(2)連続感を遮る柱、型の張ったゴンドラエンドの背中を商品で隠す あるいは鏡などを使って工夫する
3) マグネットの配置(店内には4つのマグネットコーナーがあります)
(1)第一マグネット主通路の両側をとりまくコーナー
(2)第二マグネット通路の突き当たりのコーナー
(3)第三マグネットゴンドラエンドのコーナー
(4)第四マグネット定番売場のコーナー
以上の条件を取り入れることによって、店内をくまなく歩いてもらい、それぞれの売場に立ち寄って貰える頻度が増えるのです。
売場を見る時のワンポイントを上げると、
イ:柱の間隔は、柱の中心から中心までは8m~9m (多層階店舗)
柱の間隔は、柱の中心から中心までは9~12m (平屋)
ロ:Pタイルの幅は、ほとんどが30cmか45cm
ハ:主力商品は、主通路に沿って壁側に配置されている
ニ:準主力商品は、出口に近い壁側に配置
ホ:補助商品は、中央に配置
へ:売場は、入口から購買頻度の高いものから低いものへと配置されている
次回からは、商品構成についてです。
(1997/12/10)